成長期に身長を大きく伸ばすために運動は欠かせません。
同じ哺乳類であるオオカミは、日照時間の少ない寒冷地では大きな体躯を持つ個体になることがわかっています。
既に絶滅した日本オオカミよりも遥かに大きな体躯なので、同じ種であることが信じられないほどの差です。
それはヒグマやシカでも同様に、日照時間の少ない寒冷地では大きな体躯を持つ個体になることがわかっています。

氷や雪原を狩りを中心とした生活をする彼らの運動量は豊かです。
これらの捕食者から逃れるためにシカなども豊富な運動量を持っています。
骨には骨芽細胞(こつがさいぼう)があり、骨の細胞組織において骨の形成を行う働きがあります。
骨芽細胞の細胞質は好塩基性です。
これをアルカリホスファターゼ活性といいます。
体内で分泌される性徴ホルモンのアンドロゲンとエストロゲンに対する感受対(レセプター)を持っています。
アンドロゲンが分泌されると骨芽細胞の活動性は低下します。
エストロゲンが分泌されると骨芽細胞を刺激するので骨の原料となる一型コラーゲンを産生して、成長期の軟骨部位ではオステオカルシン
・オステオポンチン・骨シアロタンパク質などが産生され、骨の伸びる、つまり身長が高くなる活動を促進します。
身長を高くする内分泌はこのような性徴ホルモンの他に甲状腺ホルモンがあります。
破骨細胞は大型の樹枝状を持つ運動性細胞です。
これは、骨髄由来の単球系細胞が分化・融合して破骨細胞になることがわかっています。
数個から数十個の核を有する多核巨細胞といって、細胞質は好酸性を示して酵素のひとつである酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼの活性を活発にします。
破骨細胞の働きは骨基質を溶かして吸収することにあります。
コラゲナーゼや水素イオンなどの酵素を放出して、コラーゲンの分解やカルシウム塩結晶の融解を促進するのです。
こうして酵素によって浸食された部位ではハウシップ窩というくぼみができます。
破骨細胞の骨基質に接する表面はハウシップ窩の不規則なひだ状です。
この突起は波状縁で、アクチンフィラメントの明帯とよばれています。
破骨細胞は、副甲状腺ホルモンやカルシトニンによって働きがコントロールされています。
カルシトニンというのは、血中のカルシウム濃度を下げる働きをすることで破骨細胞の働きを抑制するのです。
カルシウムは体内では一定に保たれており、カルシウムを大量に摂っても身長は高くなりません。
厚生労働省が推奨するように1日の必要摂取量を摂れば十分です。
牛乳やカルシウムには身長を伸ばす力はありません。
副甲状腺ホルモンは、骨芽細胞によるカルシウムイオンの細胞外液への輸送を行い、破骨細胞による骨吸収を促進します。
ヒトの身体は、常に破骨細胞や骨芽細胞とこれらをコントロールするホルモン等のバランスにより血中カルシウムイオン濃度や骨が保持されているのです。
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